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04/11 第五のがん治療「光免疫療法」
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第五のがん治療「光免疫療法」

 私が毎月購読している月刊「致知」5月号のテーマは「倦(う)まず弛(たゆ)まず」でトップ記事にアメリカ国立衛生研究所主任研究員小林久骼≠ニSBIホールディングス会長兼社長の北尾吉孝氏の「人類の未来を拓くがん治療への挑戦」と題した対談記事が掲載されていた。
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 恥ずかしいことであるが私は医療従事者にもかかわらずこの「光免疫療法」は全く知らなかった。がんの治療と言えば「外科手術」、「抗がん剤」、「放射線治療」の三大治療が有ることは大学でも習った。しかし最近はノーベル・生理学賞を受賞された本庶佑先生の開発されたがん治療の新薬「オプジーボ」を始めとする第四の治療として「免疫療法」が行われてきている事までは理解していた。しかし「光免疫療法」は知らなかった。
 小林久隆氏の説明を引用すると
『従来のがん治療は外科手術、抗がん剤、放射線の三大治療と呼ばれるものですが、これらはがんだけでなく、正常な細胞や臓器にもダメージを受けてしまうデメリットが有りました。それに対して光免疫療法は正常な部分をほとんど傷つけず、光を使ってがん細胞だけを壊します。
 それがどうして可能になるかと言うと、先ほど北尾社長がおっしゃった通り、鍵を握るのはIR700という化学物質と近赤外線です。近赤外線は身近なところではテレビのリモコンにも使われているような無害安全な種類の光。IR700は道路標識や東海道新幹線の車体の青色に使われているフタロシアニンという色素を水溶性にしたもの。
 がん細胞の表面には他の正常細胞にはない特有のタンパク質(がん抗原)が数多く存在していて、そのがん抗原と結合するタンパク質(抗体)にIR700をくっつけます。この複合体をナノ・ダイナマイトと呼んでいるのですが、それを薬剤として点滴投与します。体内のがん細胞と結合した後、直径1ミリの光ファイバーを患部に刺し込み、近赤外線を数分間照射するとIR700が化学反応を起こし、結合している抗体の形状を物理的に変化させることでがん細胞の細胞膜に無数の穴が開きがん細胞が内部破裂していく。
   IMG_20240410_0003-3.jpg
 がん細胞だけを破壊するというのは実は前段階の働きです。次の段階として、がん細胞が死んだという情報が免疫システムに伝わり、周辺の免疫細胞が活性化し、がん細胞に対してさらなる攻撃を開始します。
 先ほど近赤外線を照射することで細胞膜に穴が開くと言いましたが、これがすごく重要なんです。細胞膜が壊れるだけで核や細胞質といった中身は綺麗に残っている。その中身が一斉に放出されると、何が起きるか。周辺にいる免疫細胞が壊れたがん細胞の中身をパクパク食べるように消化・分解し始め、がん細胞の情報を取り込むんです。それによって、とらえ損ねた微少ながん細胞や転移がん、今後新たに生まれてくるがん細胞を攻撃することができます。
 分かりやすく言えばがん治療は戦争と同じで、敵(がん細胞)を減らして味方(免疫細胞)を増やせば勝つ。従来の三大治療は敵を減らすことはできるけど、同時に味方も減らしてしまう。オプジーボをはじめ「第四の治療」である免疫療法は、味方を増やせても敵を減らすことはできない。
 それに対して「第五の治療」と呼ばれる光免疫療法は敵を減らして味方を増やすことができる、従来とは全く一線を画す治療法だとご理解いただけると嬉しいです。』引用ここまで。
 現在この療法は2020年9月に光免疫療法に使われる新薬『アキャルックス点滴静注』の製造販売及びレーザー光照射による治療が、世界に先駆けて日本の厚労省で承認され2021年1月に保険適用が始まった。ただし頭頸部がんが再発し従来の治療が効かなくなった患者さんが対象という条件付きである。今後さらに研究が進展し、保険適応拡大が進めば8〜9割の固形がんは治るのでは無いかと考えられている。ノーベル賞級の世紀の大発見である。
 ところでこの開発にはまさに今月号のテーマである「倦まず弛まず」がピッタリのような小林先生の生き方が載っていた。「倦まず」は「飽きない」、「弛まず」は「心を緩めない」と言うことであり、一つのことを始めたら途中でいやになって投げ出したりしない。孜々(しし)として努力を続ける。その大事さを表した言葉である。
寝る時間以外は仕事を続け、並々ならぬ努力と覚悟があったこと、信念を持って突き進んだ経緯が語られていた。とても私には真似できないことである。昨今の「働き方改革」などと騒いでいたらこの偉業は達成されなかったとおもう。大いに感動した。

2024年04月11日

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