毎年のことであるがGWが近づくと夏野菜の植え付けをしなくてはと気持ちがはやる。今年も4月の早い時期に耕運機を使って「牛糞堆肥」、「こだわり健肥」、石灰を入れて耕し畝を作りマルチを貼って準備をした。

そして4月23日に種屋(イケカク)に行き「なす」、「ししとう」、「ピーマン」、「ミニトマト」、「キュウリ」の苗を購入し、作付けを行った。トマトは例年4種類8株を購入していたが今年6株にした。と言うのも3月に作付けしたジャガイモの畑にトマトの実生の苗が生えてきたのでそれを移植することにして6株と少なめにした。ただ実生の苗はトマトの種類が何なのか、またちゃんと育つのかは分からない。何がなるのか楽しみである。


そして27日にトマトとキュウリの支柱を立てた。後はキュウリのネット張りだけとなった。
ところで、ダイレクト出版株式会社2023年1月16日 発行の「Renaissance Vol. 13」は『食がもたらす“病”~日本の食 安全神話崩壊~』という特集で多方面からの取り組みが記載されていた。どの記事も興味をそそるものばかりであったが、その中で「国際派日本人養成講座」編集長の伊勢雅臣氏の書かれた記事『「家族農業」こそ日本再生への道―― 一石三鳥の農業で豊かに暮らす』が私の農作業に関連していて良い記事であった。

内容を紹介すると
現在食料品の値上げラッシュが続いており主な原因はコロナ禍やウクライナ戦争などにより輸入される穀物などの原材料価格が高騰した。日本の食料自給率は38%しかなく円安と海外の生産・供給トラブルは国民の生活を直撃する。この上中国の台湾侵攻でシーレーンが封鎖されると国民生活そのものが成り立たなくなると書いてある。またこの食糧自給率の低さは異常であり先進国では最低である。その一方で国内の農地は耕作放棄と荒廃が進んでおり、農林水産省の統計によると2020年の耕作面積437万ヘクタールのうち、8.7%、38万ヘクタールが利用されていないとのこと。これは埼玉県より広い面積である。さらに農業の従事者の高齢化も進んでいて、2021年の自営農業に従事している人は約130万人でその平均年齢は約68歳とのこと。新規就農者数は年間5万人強いますがそれを含めてもここ7年間で45万5000人も減少している。このペースが続けばあと20年足らずで農業従事者はゼロになってしまうと警鐘を鳴らしている。
日本政府は「国内の農産物は価格的に輸入品に敵わないので(対抗するために)農地の大規模化が必要」という論調だが、実は国際社会は全く逆の方向を目指している。2017年の国連総会では、2019年~2028年を「国連・家族農業の10年(THE UN DECADE OF FAMILY FARMING )」とすることが全会一致で可決された。
「家族農業」とは、家族労働が中心の農業を指し、世界中に約5億7000万ある農場のうち5億以上を占めており、食料の80%以上を供給している。まず資源効率において、家族農業は大規模農業よりもはるかに優れており、家族農業は世界の農業資源(土地・水・化石燃料)の25%を利用するだけで世界の食料の80%以上を生産することができるとのこと。一方の大規模農業は、農業資源の75%を消費しながら20%以下の食料しか提供していません。しかも生産された食料の3分の1が、長距離長期間に及ぶ輸送流通過程で有効に利用されずに廃棄されているとのこと。
ちなみに国連の「家族農業の10年」には
① 各国が家族農業に係わる施策を進めると共にその経過を他国と共有すること。
② FAOなどの国際機関は各国等による活動計画の策定・展開を先導すること、等を求めている。
このことについて私はマスコミ等の報道を聞いた記憶は無い。
『さらにアメリカやカナダでは、大量生産での生産性向上のためグリホサート(ラウンドアップ)という農薬が使われています。これは発がん性を疑われており、アメリカでも使用禁止を求める訴訟が起こされている危険性の高い農薬です。我が国の学校給食パンでは輸入小麦を使用している14製品中12製品でグリホサートが検出されたが、国産小麦を使った製品では検出されなかった。』と残留農薬の怖さについて注意喚起をしている。
「家族農業こそ効率的」で国連の採択した「家族農業の10年」はまさに我が国の農業の再生への道を示している。そのお手本として「日本一小さい専業農家」を自称する西田栄喜さんの事例が示されている。
『耕地面積が0.3ヘクタールとサッカーコートの半分くらいの大きさです。平均的な野菜農家の耕地は3ヘクタール以上ですから西田さんの畑はその10分の1という大きさです。そこに小さなビニールハウスが4棟立っています。この小さな規模で、奥さんと二人で50種以上の野菜を無農薬栽培し、野菜セットや漬物などの店舗直売やネット販売により、年間売り上げ1200万円、利益600万円を計上している。「夫婦と子供二人の田舎暮らしなら、今ぐらいの所得があれば、心身ともに豊かになれると実感しています」』とのこと。
また食料自給という面でいえば家族農業(家族単位で農業を生業とする)というカタチにこだわらず、都市住民による家庭菜園を増やすという道もあります。ここで一例として、農業を知らない都市住民に向けて体験農園を提供している「株式会社マイファーム」が紹介されている。
『同社では、サラリーマンなどの本業を持つ人に対して、15平米(4.5坪)の土地を貸し、インストラクターが土作りから収穫まで手取り足取り教えてくれるというサービスを展開しています。しかも本業が忙しい時には、農作業を代行してくれるのです。同社はこの事業を京都から始め、近畿2府4県、東京、愛知、静岡と広げてきました。体験農園では無農薬で野菜を育てているので、野菜を収穫する時などは、あえて「採ったその場で、洗わずに食べてください」と指導します。すると参加している都市市民たち、「これが本物の野菜だったんだ!」と感動します。
同社では「6万人の人が体験農園を利用すれば、食料自給率が1%上がり、耕作放棄地38万ヘクタールの内2万ヘクタールが耕作地として回復する」と予測しています。』
さらに著者は『たとえば同社のようなサービスを提供する会社が全国各地に多数誕生して、この20倍の利用者が集まったらどうでしょう。耕作地が40万ヘクタール増え、耕作放棄地は解消します。自給率は20%上がりますから、60%近くにまで増えます。近い将来、少子化や人口の地方分散が進めば、都会では人口が減少し、あちこちに空き地が出来るでしょう。それらを活用すれば都会でも手軽に家庭菜園を楽しめます。もともと、「小さな家でも庭をもって緑と共に暮らす」というのが、自然との和を大切にしてきた日本人の生活感覚です。今後は空き家はどしどし取り壊して家庭菜園にすることで、都市住民も緑に親しむ生活を送ることができ、それが災害時の食料供給源にもなります。
農業は、子供に情操教育を、成年に癒やしを与えてくれるだけでなく、高齢者には体を動かすことで健康をもたらしてくれます。』
西田さんに代表される「スモール・メリット」の家族農業や家庭菜園などを通じて、国民の健康を増進し、国土の豊かさを守り、食料輸入のリスクを軽減するという、一石三鳥を得ることができるのです。』と結んである。
まさに私がしていることは国連の家族農業であり、食料自給率UPに繋がり日本国のために良いことをしているのだと実感できた。
しかし昨今、政治家達は食料安全保障における農業の大切さを軽視しているとしか思えない。国会でLGBTの議論をすることも必要かも知れないがそれよりも生きること、すなわち食べることの方が先ではないかと思う。是非日本の農業が復活するようにして貰いたいものだ。
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