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GHQ焚書

 先日ダイレクト出版社が発行する「ルネサンスvol.12号 2022.8.15発行」を読んだ。このルネサンスは定期刊行物ではないが年に2〜4回不定期に発行されており、毎回取り寄せて読んでいる。この12号は『GHQが隠した「本当の日本」』という特集であった。
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表紙の裏には次のような文章が書かれていた。
『1946年3月17日。日本を占領したGHQは、戦前まで刊行されていた大量の書物を、全国から“没収・廃棄”するように日本政府に命令。日本国民の目にふれないように「文部省」や各都道府県の「警察」を使って、秘密裏に書物を没収させました。その数、7,769冊。それらの中には、GHQが戦後の日本人に読ませたくなかった戦勝国にとって都合の悪い書物や、日本人としての生き方や叡智が凝縮された書物が多数ありました。先人が残してくれたこれらの「知の結集」を、誰かが「復刻」していかなければ、永遠に読まれずに国民の記憶から消えて行くことでしょう。私たちダイレクト出版社は、入手困難なぼろぼろの状態の「GHQ焚書図書を」発掘し、一流の専門家に読み解いて頂き、わかりやすい動画講義の形で後世に残すプロジェクトを開始しました。』
焚書という言葉は高校1年の世界史の授業で、秦の始皇帝が儒教の書物を焼き払い、儒者を穴埋めにして殺した蛮行を「焚書坑儒」だと習ったのが最初である。最近ネット上でも「GHQ焚書」という言葉を時々目にするようになり、購入したのは次の8冊である。
 「興亜の大業 松岡洋右」、「東亜全局の動揺 松岡洋右」、「政党を脱退して日本国民に訴う 松岡洋右」、「非常時と日本の国防 石原莞爾」、「日本戦時経済の進む途 岸信介」、「裏から見た支那人 笠井孝」、「真珠湾 ブレーク・クラーク著 (海軍大佐廣瀬彦太訳)」、「皇室と日本精神 辻善之助」。
現在の国際情勢を見たとき、これらの本は有用なヒントを与えてくれると思われる。
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いずれの本も復刻にあたり 1,歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに改める。2,「常用漢字表」掲げられている漢字は、原則として新字体に改める。3,難読と思われる表記には、ふり仮名をつける。4,原書の誤植を修正し、必要と思われる箇所に(注)として説明を加えられており、読みやすくそれほど抵抗無く読めた。最後の「皇室と日本精神」は丁度読み始めたところである。
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ところで何故、民主主義国家であるアメリカがこの様な暴挙にでたのか、焚書蒐集・研究者の澤龍氏と歴史学者の福地淳氏との対談の中に
 澤氏「理由の1つは、やはり日本の優れた伝統文化や精神をぶった斬るためでしょう。焚書にされた本は、もちろんアメリカをはじめとする連合国を批判したものが大半なのだけれど、その中に我が国の歴史、文化、伝統、皇統、国体、精神、民俗・・・・国の根幹に関わる内容が多く含まれています。国を亡ぼしてやろうと思ったら、その国の歴史と文化を国民から奪って、忘れさせてしまえばいいんだからね。」
 福地氏「うん、日本人の魂が書き込まれた本がたくさん選ばれている。」とある。正にこの部分ではないかと思う。 
 先日ネット上で平成25年2月12日の衆議院予算委員会で日本維新の会の石原慎太郎議員が当時の安倍晋三首相に質問をしている記録を見つけた。その中で次のように話している。 「昨年2月ごろ、靖国神社で聞いた90歳超のある戦争未亡人の歌だ。この方は20歳前後で結婚して子供をもうけたが、主人は戦死された。ひ孫もできたかもしれないが、その方は90歳を超して今の日本を眺めてこういう歌を作った。『かくまでも 醜き国になりたれば ささげし人の ただに惜しまる』。これは強い共感を持ってこの歌を聞いた」と述べている。
正鵠をえた歌で、正にこれこそGHQの為せる技でだと思う。あれから10年が経つが今の世の中はその時以上に世の中が荒み日本人の心が破壊され「今だけ、金だけ、自分だけ」の風潮が強くなっているように思う。先日の安倍元首相の国葬についても国民を二分したがTVのインタビューなどでは「国会で議論されてない」、「法的根拠がない」、「国民の税金を使う」などの意見を述べる人が多かった。しかし日本では生活保護という制度があるがこれは憲法25条の理念に基づき生活保護法が作られその第一条には国は生活に困窮する国民に対して、必要な保護を行うと規定しており、外国人に対しては、生活保護法は適用されない。さらに2014年7月18日、最高裁においても「外国人は生活保護法による保護の対象にはならない」という判決が下されている。しかし人道上の観点から現在も支給されている。この様に外国人に生活保護を支給するようにしたのは昭和29年5月8日の「各都道府県知事」に宛てた厚生労働省社会局長通知である。もちろん国会での討論、議決も経ていない。平成29年11月10日の加藤厚労大臣の記者会見で記者が外国人生活保護は1200億円と述べているが、医療費無料、交通費無料、水道代無料などを含めると恐らく5000億円を超えると思われる。この金額と国葬16億円とを対比したときどうなんだろうと思われる。この様な寛容こそが日本人の心ではないだろうか?
 さて私が読んだ中でアメリカ人の書いた「真珠湾」(著者の奥付では昭和17年1月23日とあり、底本は昭和18年6月1日三刷 鱒書房)という本が何故焚書になったのか考察すると、この本の巻末に訳者の海軍大佐廣瀬彦太によりハワイ敗戦真相調査委員会である「ロバーツ委員会報告書」が附してある。アメリカはこの真珠湾攻撃が日本の騙し討ちであり「リメンバー・パールハーバー」という合い言葉の基に第二次世界大戦に参戦する。しかし昭和16年11月26日にハル国務長官から野村・来栖両大使に受託不能の挑戦状「ハルノートが」手渡されこれにより日本は戦争へと舵を切る。そのことはアメリカ側も十分予測しており翌11月27日には陸軍参謀総長、海軍作戦部長からハワイの陸軍司令長官・太平洋艦隊司令長官宛に「この訓令は戦争の警告と考えるべし」と通達された。さらに12月7日まで縷々適切な処置を執るよう命令や警告を受取っていた。しかし現地では適切な対応がとられなかったことを報告書は記載している。つまりハワイの惨敗の原因は、決して日本軍の「騙し討ち」にあったのではなく、まったく現地陸海軍当局の油断と無準備とにあったことを、明白に指摘している。この事が日本国民に知られるとまずいと思い焚書にしたものと考えられる。
 話は変わるがもう一つ1937年に書かれた「裏から見た支那人 笠井孝著」は最初の序に代えてで「支那の主要民族たる漢民族の特筆を拾い上げたものであって、就中その悪徳方面のみが、多すぎる嫌いがないでもない。素より支那人にも美点はある。併しながらそれがある故に、その悪徳方面を見逃す訳には行かない。そこで私は、この方面について私の体験を、極めて率直に記述した次第である。」と書いている。
 ここに書いてあることは今現在の中国の政治手法などからもその通りで有ろうと思われる。とりわけ中国に進出して儲けようと思われる経営者の方には是非読んでおいてもらいたい。
 2015年「かっぱえびせん」のカルビーが中国から撤退するのに持ち分の51%の株を買いたたかれてたったの1元(19円)で譲り渡してやっと引き上げることが出来た話などこの本を読むと何故そうなるのか納得できる。
 なおこの本の著者「笠井孝」についてはこの本が復刻されるまで詳細はわからなかったが復刻された本を読んだ読者の方からダイレクト出版に連絡があった。
日本陸軍の中でも、支那通で知られていた酒井隆(さかい たかし)という人物がペンネームで書いたものだった。
 彼は広島県出身、陸軍士官学校を出て1908年任官、駐中華民国公使館の副武官、支那駐屯軍参謀長、香港軍政庁長官など、中国に駐屯していた日本軍で要職を歴任し、陸軍きっての支那通として知られていた人物です。終戦後の1946年、南京の軍事法廷で死刑判決を受け、同年に処刑。最終階級は陸軍中将でした。
 つまり、この本は中国専門の日本軍人によって書かれたということであり、それだけ正確に、当時の日本軍は中国の情報を掴んでいた。それ故今も十分にこの内容は生きていると思う。

2022年10月10日

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