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木・日・祝日
先週の木曜日(16日)に左上の奥歯が少し浮いた感じがしていた。このところ休みの日にジャガイモの収穫、そしてサツマイモの植え付け、さらに昼休みにはキュウリ・トマト・なす・ピーマン・シシトウ・オクラ・モロヘイヤ、さらに植え付けたばかりサツマイモの苗の水やり等、ゆっくりする暇も無く農作業が忙しく少し疲れているのだろうと思っていた。 ところが18日(土曜日)の朝3時54分に歯が痛くて目が覚める。 上下の歯を合わせると痛い。指で触ってみるとどうも左上の第一大臼歯のようである。さらに歯茎から何かとんがったようなものもある。昨夜の歯磨きが十分でなかったのかと思い布団に転がったまま30分ほど歯磨きをする。5時に起床したときは少し痛みが治まっていた。そのまま朝のウオーキングにでかけ、帰宅後朝食を摂ったがやはり左で噛むと痛い。出勤してレントゲン撮影をしたら、歯の神経(歯髄)がいつの間にか死んで歯根尖に膿がたまっているようなレントゲン画像であった。 とりあえず仕事が始まる前に息子に応急処置をしてもらう。 この歯は何年か前に、歯髄腔近くまで摩耗していて凍みるようになったので何とか金属で修復した記憶がある。第一大臼歯は6歳の頃生えてくるため別名6歳臼歯とも言われている。ということは75歳となった現在この歯を69年間使っていることになる。 私もいままで何度か歯の痛みに襲われたことはあるが、寝ていて痛みで目が覚めた経験は初めてである。よく患者様から問診で痛みの様子などをお聞きするのだが、身をもって体験したのでこれからはもう少しいろいろな角度から質問をするよう工夫してみよう。 それにしても今まで痛みが無かったことで全く自分の歯の検診をしていなかった事に気がつく。撮影したレントゲン写真からは昨日・今日の話ではなく、少なくとも半年くらい前からは少しず歯根尖の膿の袋は出来つつあったのではないだろうか。私が最後に撮ったレントゲン写真は2020年3月31日であった。患者様にはせめて1年に1度は検診においで下さいと言いながら自分の検診をしていなかった事が恥ずかしい限りで、「医者の不養生」、「紺屋の白袴」状態であった。反省しきり。 なお18日に息子に応急処置をしてもらっていたが、本日21日から本格的に治療を開始してもらう。 歯が痛いと食べるのが不自由であり、しかも食べる意欲がそがれてしまう事を身をもって経験できた。自分の仕事は世の中の人にとって大切な仕事なのだとつくづく思った。
2022年06月22日
今年は6月4日から10日までが歯と口の健康習慣であった。例年この時に合わせて尾道市歯科医師会は尾道市と共同で就学前児童と保護者を対象に「歯っぴーフェスティバル」を開催し、無料歯科健診や、各種イベントを行い啓発活動を実施している。ところが一昨年・昨年・今年と連続してコロナ禍のため中止せざるを得ない事態に追い込まれ、我々歯科医師会として意気消沈していた。 ところがこの6月7日に政府が「経済財政運営と改革の基本方針2022」いわゆる「骨太の方針」を閣議決定した。なんとその中に永年私たちの夢であった「国民皆歯科健診」の検討が明記された。具体的には基本方針第4章中長期の経済財政運営の第2項持続可能な社会保障制度構築の中で下記のように記載された。 これは画期的なことである。歯科医師会は永年口腔疾患と体の中の様々な病気との関連を指摘してきた。またオーラルフレイルと寝たきりの関係など全身との関係についてことあるごとに発信してきた。そして歯科医師で国会議員の先生方を中心にこのことに興味を持たれた国会議員の先生方を巻き込んで国会内に「国民皆歯科健診実現議連」立ち上がり検討されてきて事が誘因であろう。 私たち尾道歯科医師会は30年以上前から「マイナス0歳からの8020」を掲げて活動をしてきた。尾道市における歯科健診の歴史を振り返ると、まずマイナス0歳に当たる健診としては妊婦健診を実施出来るようになった。政府の方は1.6才児・3歳児歯科健診を義務づけている。その後は幼稚園・保育所での健診、そして小学校に上がる前の就学前健診がある。その後学校に上がれば高校3年生までは自動的に歯科健診が受けられる。しかし高校卒業後はほとんどその機会が無く、社会人になると年1回の医科の健診を受けることが義務化されているが歯科健診は入っていない。そんな中、健康増進法が施行され40歳・50歳・60歳・70歳の節目健診を行うようになった。しかしこれでは10年間も健診から遠のいてしまうので何とか間隔を縮めたいと思い私が会長の時代に尾道市歯科医師会と尾道市が協議を重ねて7年前から30歳から5年刻みで健診を行うようになった。なお75歳を超えると広島県が後期高齢者のために1回だけ歯科健診をするように案内が来る。 これでも5年間の間が開いてしまう。私の医院でも5年ぶりに来院という患者様は結構いらっしゃるが、口腔内もかなり重傷化している場合があり、この様なケースを見る度にもう少し早くおいでになれば何とか歯を残すことが出来たのにと思う事は多々ある。 この度の「国民皆歯科健診」は画期的なものであり新聞にも記事が掲載されていた。 中国新聞では5月31日に報道があり、産経新聞では閣議決定の前の日の6月6日に報道された。 また昨日(6月9日)の産経新聞の記事によれば日本歯科医師会の堀会長が実施には3〜5年は掛かるだろうとコメントされている。 歯科健診の実現に注力してきた私としてはこの度のことは嬉しくて仕方がない。出来るだけ速やかに実施されればと願うものである。
2022年06月11日