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06/24 新型コロナウイルスワクチン接種実技研修会
06/10 コロナ感染顛末記
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院長のブログ

新型コロナウイルスワクチン接種実技研修会

 6月20日に沖縄県を除いて緊急事態宣言が解除され東京・大阪などは「まん延防止等重点措置」に移行した。幸いなことに広島県は「まん延防止等重点措置」には移行しなかった。しかしこれからオリンピック・パラリンピックが開催され、夏休み、お盆などで人の移動が多くなり第5波が来ると懸念されている。そこで政府はコロナの収束手段としてコロナワクチン接種を加速するように働きかけている。
 ところで2021年6月1日の日本の人口推計を見ると総人口1億2547万人で0才から12才未満(4月1日時点での推計値によると)は1169万人、65才以上が3634万人である。政府はワクチンを12才以上に接種しようとしている。そうなると対象人数は総人口から12才未満を差し引いた人数1億1378万人となる。しかし重篤な病気のある人、ワクチンを打ちたくない人を差し引いて仮に9000万人が接種すると仮定してみる。ワクチンは一人2回接種なのでトータル1億8000万回の接種が必要となる。6月21日時点のワクチン接種者は政府のホームページによると32,922,292回とある。およそ3300万回が接種済みとして、残り1億4700万回となる、1日100万回を接種したとしても147日およそ5ヶ月かかる。おそらく接種修了は早くて11月ではないかと考えられる。
そこで政府が考えた奇策として歯科医師にもワクチン接種をさせることを目論んだのではないだろうか?
 コロナのワクチン接種は筋肉内注射で有り、普通私たち歯科医師が筋肉内注射をすると医師法17条違反となる。我々歯科医が扱えるのは口腔内だけである。ただし歯科麻酔医とか口腔外科医は打つことが可能であり我々一般歯科医は診療中にアナフィラキーが起きると緊急にアドレナリンを大腿部筋肉に注射を打つことは問題ない。
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そんななか、国がワクチン接種を1日100万回打つ計画を立てたことにより、医師・看護師だけではとてもワクチンの打ち手が足らない。そこで4月26日付けで厚労省が都道府県・市町村・特別区の衛生管部(局)に通達を出し歯科医が集団接種会場でのみ接種できる事を認めた。
 それを受けて日本歯科医師会は、歯科医師がワクチンを接種するための研修内容を検討し、日本歯科医師会のe−ラーニングシステムに動画コンテンツ「ワクチン接種研修セミナー」を作成した。ワクチン接種に協力する歯科医は5教材(合計1時間42分)を事前に研修して単位登録をする必要がある。各教材の動画を見た後それぞれテストが有りそれに合格しないと単位修得が出来ない仕組みになっている。私は何とか修了し受講修了書をもらった。
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 広島県歯科医師会は5月から広島市で研修会を行っていたが6月20日に東部地区として福山歯科医師会館で開催し私もワクチン接種実技研修会に出席した。
研修会に出席した動機は前回のブログにも書いたように、私自身が感染し医療関係者にお世話になったこと、また税金で入院させてもらったことへのお返しをしなければと考えた次第である。
 実技研修は広島大学大学院医系科学研究科救急集中治療医学客員教授の貞森拓磨先生によるスライド、動画を使っての説明、接種方法の実演があり、そして目の前に患者がいると想像しながら実際に行うイメージで動作を何回か練習した。その後上腕三角筋の模型を肩に付け針を刺して練習。それから参加した先生同士でお互いに生理食塩水を三角筋に注射をした。そしてまとめのお話を聴いて全て修了。なおこの時配布された文章中にたとえワクチンを打っていても15%はコロナに感染する可能性があると書いてあった。私はその15%の中に入っていたのだと合点した。
これからは何時、赤紙が来て招集されようとも応召してお役に立とうと思っている。

2021年06月24日

コロナ感染顛末記

 5月15日(土)に院長である息子が発熱し仕事を休んだ。その後、息子の熱は下がったり上がったりしていた。17日(月)にかかりつけ内科医を受診しPCR検査を受け18日に午前陽性判定が出た。東部保健所より連絡があり息子はJA尾道総合病院を受診、宿泊施設療養となり午後にはホテルに隔離された。「さいだ歯科医院」はすぐさま午後から休診に切り替え、皆で手分けをして全ての予約患者様に「コロナが出たのでしばらく休診します、再開したらお電話をしますと」キャンセル電話をして対応した。
 保健所からの指示で私を含め全従業員および息子の嫁と娘が濃厚接触者ということで19日に保健所でPCR検査を受ける。翌20日(木)に結果が分かり私と従業員2人が陽性と判定された。私自身全く体温も正常、咳などの症状も出ていないのでまさに寝耳に水である。しかも私は5月13日にワクチンの2回目の接種を終えており何で感染したのか判らない。このことからワクチン接種が終わったとしても感染はするのだと理解した。インフルエンザの場合、ワクチンを打っていてもインフルエンザにはかかるが、症状は軽いと言われている。コロナワクチンも同じだと思った。
 保健所から連絡が来て21日(金)にJA尾道総合病院を受診するように言い渡される。その際は入院できる準備をして行くように指示がある。自分で車を運転して11:30に病院に行くと2階駐車場にテントが張ってありそこで完全防護服のDrと看護師がいて体温とSPO2を計測、色々問診を受けた。私は基礎疾患がないこと、常用している薬もないことなどを話す。その時のSPO2値が92%、正常値は95%以上のため少し低かったこと、また74歳の高齢者で有ることから、症状が急変した場合すぐ対応がとれるのでDrより入院を勧められる。頭の中ではホテル療養だと思っていたので即答が出来ず少し考えて入院を決定。その後Drより今日は病室に空きがない、1日自宅待機をして明日入院して下さいとのこと。医療も逼迫して来ているのかと思うと同時に、今夜もビールが飲めるとにんまり。
 翌22日15時前に保健所から迎えの車が来てJA尾道総合病院に護送される。通常の患者が入る通路でなく職員等が出入りする通路を通って5階に案内される。そこはお泊まり型人間ドックの人が宿泊される部屋で風呂あり、ソファーあり、TV見放題、眺めも抜群のかなり広い部屋であった。土曜日だったので血液検査は月曜日となる。入院のための書類を書いたりして体温、脈拍、SPO2を計り体調について「はい」、「いいえ」の質問に答える。以後、朝7時・昼2時・夜8時に自分で検温、SPO2を測定し紙に体調の質問に答えを書く。少し時間をおいてドアの外に看護師師さんが来て結果を聞いて帰られる。
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 また食事はその時間になったら廊下の台においてくれて、ドアを開けて中に取り込み食事をする。食事内容は200gの白ご飯とパックされたおかず、500mlのペットボトルの水、朝だけ200mlのリンゴジュースがついた。おかずは朝100キロカロリー前後、昼・夜はそれぞれ200カロリー前後であった。お湯が飲めないので電気ポットをお借りした。感染予防のため部屋からは1歩たりとも出れない。用事があればナースコールとなる。また窓の開閉は御法度で開けるとドアの隙間を通してウイルスが拡散するとの配慮である。
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 私はほとんど発熱も無く(入院中体温は36.5〜36.9℃)ベットに横たわることもなく、TVを見たり持ち込んだ本を読み始める。23,24日にはお風呂にも入る。月曜日朝、血液検査のために看護師が来て採血してくれた。夕方結果が出たが、基礎疾患もなくほぼ正常値でありDrが驚いていた。
 翌25日(火)JA尾道総合病院は尾道市でのコロナ患者急増のためか、7階をコロナ病棟とした。そのため私は5階の部屋から7階に部屋替えとなる。その時初めて部屋から出ることが許され、看護師に伴われて部屋替えを済ます。この部屋には風呂はなかったがシャワー室があり早速利用した。ここではTVはカードを購入して見ることとなった。
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相変わらず症状に変化はなく体調はいたって元気、本を読んだり体力回復のため病室内を歩き回る。
 ところで息子はホテル療養であったが熱が下がらず食事がとれないと言うことで、25日に急遽JA尾道総合病院に移送され入院となる。息子の担当Drは私のDr が担当したため色々と報告をしていただき親としての心配が解消された。
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 27日の夕刻Drが来て「退屈をされていますし、症状も無いことから明日退院しましょうと」言われ「やったー」と思う。翌28日(金)、速く目が覚め帰り支度、9時過ぎに看護師さんが来て退院の手続きを済ます。タクシーを利用して帰るためスーツケースは大きなゴミ袋でパッキングしてウイルスが拡散しないようにした。外来患者用の表玄関まで看護師が見送ってくれて十時過ぎに無事帰宅、1週間振りであった。
 なお家内は濃厚接触者としてPCR検査をしたが陰性のため2週間の自宅待機が求められ6月5日まで他人と接触することは禁止され、宅急便も受け取れない、外出も出来ない状態である。たまたま家内の妹が市内在住のため時折食料などを買ってドアの前に置いてくれていた様である。もしも一人暮らしで手助けをしてくれる人がいない場合、尾道市には手厚い援助をするシステムがあるのだろかと心配になった。私が帰宅してからは私が買い物に出かけた。感染者よりも濃厚接触者の方が2週間も隔離状態で身動きとれないので精神的ストレスがとても高いと感じた。
 退院に際しDrに「いつから仕事に復帰出来るか」聞いたところ、「今日から出来ます」と言われた。しかしPCR検査陰性であった他の従業員は6月2日まで自宅待機中で職場復帰が出来ない。その後息子や他の従業員も順次退院し、自宅待機者の待機も明けたので全員そろって6月4日から16日振りに仕事再開した。
多くの患者さまにご迷惑をお掛けした。ただ「さいだ歯科医院」から患者様への感染はなかったことが不幸中の幸いであった。これからはよりいっそうの感染対策に尽力しようと思った。

2021年06月10日

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