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先日診療所のある地域を地盤とするY市会議員さんの活動報告書が届けられた。今回は12月定例議会報告書であった。千光寺公園の新しい展望台は2022年4月にオープンとか色々報告されていたが、その中で私の目を引いたのは「尾道市は『水道事業の県内統合には参加せず、引き続き単独経営で経営基盤強化に努める。』と表明」という記事があった。尾道市は素晴らしい選択をしたと思う。 内容を一部引用させて貰うと「安全な水は私たちの生活に欠かせないものであり、その水を提供する水道事業は、住民生活や社会経済活動を支える最も重要なライフラインです。しかし近年では、人口減少による料金収入の低下、水道管などの施設の老朽化に伴い更新費用の増加に経営環境の悪化など多くの課題に直面しています。そこで国は2018年12月に「水道法」を改正し『市町村の枠を超えた広域連携で水道事業の経営基盤の強化を図ることが有効である。』として、都道府県にその推進役を求めました。広島県内の水道事業は、安定経営の事業体もある一方で、厳しい経営の市町もあり、県は「県内の水道事業は、企業団を組織し経営を一元化する統合が最適である。」と考え各市町に2020年度末までに、統合するか否かその判断を求めていました。その結果尾道市・福山市・広島市は統合には参加しないことを表明したとあった。 さて日本のように蛇口から出てくる水を直接飲めるのは、国連加盟国193カ国中、16カ国しかありません。日本は水道インフラが整っており、日本人にとって水道水が飲めるのは普通で当たり前のことです。しかし世界のほとんどの国では、水道水が飲めません。 安全な水確保のため水道法の改正が行われた。しかしこの改正により今迄、コンセッション方式(官民連携)が可能であった下水道に加えて、上水道も自治体が所有権を保持したまま民間企業が水道の管理と運営を出来るようになりました。 令和元年5月26日にUPしたブログ「今だけ・金だけ・私だけ」でも触れたが、20世紀にかけて、水道事業の運営権を民間に売却することで、事業の効率が良くなる、サービスが良くなる、無駄が無くなり、水道料金が下がると、、、、そのメリットを信じ、あらゆる国で民営化が加速しました。しかし、蓋を開けてみれば、民営化で料金が下がるのではなく、逆に水道料金がどんどん上がっていきました。 南アフリカでは4年140%、オーストラリアでは4年で200%、ボリビアでは2年で35%、フランスは24年で265%、イギリスは25年で300%。つまり水道料金が最高で3倍になったということです。 また、南アフリカでは、運営権を得た、グローバル企業(スエズ・リヨネーズ社の子会社)が利益を出すためにコストカットをし、水質チェックをおろそかにされ、水がどんどん汚くなっていき、コレラ菌が繁殖して、何百万人もの命が犠牲になり、幼い命も沢山犠牲となりました。 さらにアメリカのピッツバーグ市では、民営化にしたことで、水道料金は全米で最高に高くなったにも関わらず、水道管のメンテナンスはおろそかにされ、腐食防止剤は安いものに変わり、その結果、水道管からは鉛を含んだ茶色い水が出てくるようになりました。そのせいもあってか、その市に住む子供たちの血液からは、基準値超えの鉛が検出されたのです。 今この水道法の改正を受けて日本でも外国企業が名乗りを上げてきている。 とりわけフランスのヴェオリア・エンバイロメント社は世界三大水メジャーの一つで、ピッツバーグ市で問題を起こした巨大多国籍企業である。その日本法人がすでに松山市で料金徴収業務などを行っている(松山市のHPより)。いずれ給水事業に乗り出してくると考えられている。また浜松市ではヴェオリアや日本のJFEエンジン・オリックス等とコンセッション方式で下水道処理のみを行っているが、いずれ上水道の事業にも入ってくることが予想される。 問題は、どんな民間企業でも利益を追求することが第一目的であることを肝に銘じなければならない。水道料金の値上げ、老朽化設備の不更新、水質の検査業務の手抜きなどは当たり前かも知れない。その結果アメリカのピッツバーグ市のようになることも考えられる。 確かに少子高齢化が進んでいる日本では広域連合化も止むなしとは思われるが、その時安易に民間事業者、特に多国籍企業に運営権を渡すようなことがあってはならないと思う。
2021年02月18日
私は日立製作所日立研究所に1971年入社した。一緒に入社した同期で「日研71同期会」が結成された。私は歯科医師をこころざし途中で退社したが、いまだ会員でありほぼ毎年同期会が開かれている。最も定年まで研究所にいた同期は皆無である。 その同期会幹事より昨年6月初旬にメールが届く。そこには同期のY君からのメッセージが添付されていた。彼は長野県上田市の「信州別所温泉」玉屋旅館の二男である。2018年4月に彼の実家の旅館で同期会が開かれ私も出席した。 この別所温泉が2019年の台風19号により上田電鉄別所線の千曲川鉄橋が流されて客足が減っていたところコロナの為緊急事態宣言が発令され温泉郷が大打撃を受け、厳しい状況に追い込まれています。ご支援いただければ幸いです。クラウドファンディングで支援を募っているので同期会の皆様よろしくお願いしますと有った。早速クラウドファンディングをしているCAMPFIREというページにアクセスをしてみた。 そこには「信州上田・別所温泉街のMIRAI存続プロジェクト」が載っていて切実な状況が書かれていた。 『新型コロナウイルスの影響で、別所温泉は旅館も飲食店も土産店も、観光に携わる業種はみな苦境に立たされています。別所に生まれ、上田を愛する者として、この街を守りたい。再び、信州最古の温泉地に多くの皆さんをお迎えすることができますように…。みなさんの応援をよろしくお願い致します!』 そして支援の方法として純粋な寄付でも良いがリターン方式(お礼)について書いてあった。 <リターンについて> 今回多くの地域のお店に協力を得て3タイプのリターンをご用意しました。 @ 共同店(飲食・土産など)でのご利用ができる「別所温泉MIRAIチケット」 A 別所温泉の旅館(13軒)・ゲストハウス(1軒)で利用できる「別所温泉MIRAI-YADOチケット」 B 別所温泉の旅館で提供されているオススメギフト「別所温泉MIRAI-GIFT」 つまり@の場合1,000円のご支援にたいし1,100円分のMIRAIチケットを発行して別所温泉内のお店で使えるようにするとのことであった。 Aについては10,000円のご支援いたいし温泉旅館内で使える11,000円の券を発行するとあった。 日立製作所勤務時代、協力会社の指導で上田市に2回出張し別所温泉に宿泊し、また日研71同期会でも2回訪れていたが、家内はまだ一度も訪れたことが無いのでこの機会を利用しようと思い温泉宿に泊まれるタイプを選んで応募した。丁度応募するときに政府が国民一人当たり10万円を支給してくれたのでそれを全部支援に回した。 別所温泉のクラウドファンデイングは6月27日に終了したが目標の500万円を突破し120%の6,005,080円、363人が応援したと報告があった。
7月の半ば過ぎに宿泊施設専用の11,000円チケット10枚がお礼状と共に贈られてきた。有効期限は「2020年7月〜2021年1月31日」までと書いて有り、いつ行こうかと思案していた。政府はGoToトラベルを7月22日から実施したが、長野へは東京経由となるのでコロナ感染が怖いし、もしも私が感染すると「医療人のくせに軽率だ」とか、ありとあらゆる非難中傷が浴びせられそうで「さいだ歯科医院」に迷惑を掛けるし、患者様にも迷惑がかると思い二の足を踏んでいた。そこへ第三波がやってきて1月7日からの1都10府県に緊急事態宣言が発令され先日さらに3月7日までの延長ということでついに有効期限が過ぎてしまった。 最も私としては損をしたという気持ちは無く、むしろ政府から只で頂いたお金を有効に利用できた事で、ある意味満足感がある。 コロナが落ち着いて国内旅行が解禁となればチケットはないけれど別所温泉に必ず家内と行ってみようと思っている。
2021年02月11日