この言葉を知ったのは2ヶ月ほど前である。今までに「コンピューターの2000年問題」とか「団塊の世代全員が75歳以上になる2025年問題」とかいろいろ聞いてきた。それでは2045年問題とは何なのか?
「2045年問題」とは人工知能(AI)が人間の知能を超える「技術的特異点(シンギュラリティ)」と言われている。この説明だけでは私の頭はついていかないが、どうやらコンピューターの知能がさらなる人工知能を作り人間の知能を超える現象、またはその瞬間を意味する言葉だそうだ。まさに近未来の映画「ターミネーター」のスカイネットを想像させる。
昨年コンピュターソフトがプロの囲碁棋士と対戦してコンピュターが勝ったと大いに話題になった。また国立情報学研究所が中心となって進めている東大入試にチャレンジする「東ロボ君」や、慶応大学理工学部の「医師国試ロボ」はまだ合格ラインには達していないが合格出来るのも時間の問題であろう。
また昨今各自動車会社は車の自動運転の技術開発に大きな投資をしており、2020年の東京オリンピックには一部実用化するような話もある。
そこで今月12日から16日までの日本経済新聞の記事や広告を調べてみたら、なんと多くの関連記事などがあった。

これらの記事を読んでいると、AIやロボットに職業を奪われる職種が多数出る感じがする。たとえば自動運転になるとタクシードライバー-等の職業が奪われてしまうのかも知れない。また自動翻訳機の発展等で同時通訳の仕事もなくなるかも知れない。

医療関係では「遠隔診療 都市で地方で」「仕事合間にスマホ診療」などの記事を読むと血液データーなどをAIが判断して病名を決めそれに合ったお薬が処方されるようになると内科医の仕事もなくなるのかも知れない。
その他、介護ロボットが家族の一員になったり、現在宅配便の量が増えすぎ、クロネコヤマトは配達従業員の作業量を減らす労使交渉がまとまったが、2030年頃には物流を「完全無人輸送・配達サービス」化にするプロジェクトが立ち上がっている。
我々歯科業界では現在、歯科医が患者様の歯を削って印象(型どり)をして作業模型を作り冠(かぶせ)や詰め物を国家資格を持つ歯科技工士が製作しているが、削った歯を直接写真撮影をしてコンピュターと連動した切削マシーンがハイブリッドプラスチックやジルコニアのブロックを削り出し、冠や詰め物が製作出来るようになった。また3D印刷機というのが開発されているがこの印刷技術を利用して総義歯(総入れ歯)も製作できる。こうなると歯科技工士も職を無くしそうであるが、実は近年歯科技工士を目指す若者が少なく、各地で歯科技工士専門学校が閉鎖してきている。ある意味このAIは歯科業界にとっては朗報なのかも知れない。
今後世の中がどうなっていくのかまだまだ私には見通せない。
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