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尾道市歯科医師会がかねてより要望していた成人歯周疾患健診事業の拡大を尾道市は今年度から予算化した。
従来節目検診として40歳・50歳・60歳・70歳の年齢に達した市民の方の歯周疾患検診を無料で行っていたが。今年度からは35歳から70歳までの方を5歳間隔で検診できることになった。非常に画期的である。県内では世羅町が一足早く実施をしていたが、尾道市は県下で2番目である。全国的には尾道市のように対象者数の多い自治体ではまだ歯周疾患検診事業すら行われていないところが多数ある。今回の尾道市の英断は素晴らしいものであり市民にとっても良いことである。
先日ある記事を読んでいたら「生涯医療費 歯で決まる? 定期ケアする人ほど安く・・・愛知 トヨタ関連健保組合など調査」という2011年3月28日の中日新聞朝刊の記事が掲載されていた。
それによると『定期的に歯科医院を受診している人は、全ての病気にかかる年間の総医療費が低くなる傾向があることが、トヨタ関連部品健康保険組合(愛知県豊田市)と豊田加茂歯科医師会の共同調査で分かった。
両団体は「歯をケアする人を増やし、医療費削減に役立ててほしい」と呼び掛けている。トヨタ自動車の関連企業の社員や家族らでつくる同組合は、同歯科医師会の協力を得て、組合員5万2600人の2009年度の医療費と受診歴のデータを分析。
歯科医院で年に2回以上、定期的に歯石除去などをしている602人を抽出し、総医療費を調べた。その結果、定期受診の人は48歳までは総医療費が平均より高かったが、49歳を過ぎると平均を下回る分布傾向となった。
65歳になると平均が35万円に対し、定期受診の人は20万円以下とその差は広がっていく。
組合は「歯が悪いと食事が偏ったり、歯並びが悪くなったりする。それが糖尿病や肩凝り、骨粗しょう症を招き、体全体の健康に影響する」と分析。48歳までは歯科の定期健診費用で年2万円ほどが加わり、医療費が平均より増えるものの、その後は医療費が抑えられるため、歯科の費用を含めても「生涯医療費」は平均を下回ると結論づけた。
これまで他県の健保組合の調査で高齢者層のデータはあったが、中年層は総医療費抑制につながるという明確なデータはなかったという。同組合の中村貞次理事は「歯をケアすると、高齢者以外でも総医療費を減らせることが分かった。歯周病にかかり始める35歳ぐらいから、しっかり歯を手入れすることが大切だ」と話している。』 (島崎諭生)
今回、成人歯周疾患検診事業が拡充されたということは尾道市の国民健康保険の医療費を削減することにもつながりそうである。まさに一石二鳥である。
さらに尾道市では今年6月より従来小学3年生までであった外来医療費の一部負担金、上限500円で4回までとする医療費補助制度を小学6年生まで拡大した。お隣の福山市では相変わらず小学校入学までであり、尾道市に在住する子育て家庭にとっては朗報であり、尾道市の福祉制度がより充実したものになったと思える。より住みやすい街になってきているのではないだろうか? | |
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