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介護保険が始まったころから2025年には社会保障が大変な事になると言われてきた。つまり団塊の世代全員が75歳以上の後期高齢者になり、介護保険や医療保険の費用が莫大掛かるので今の体制では社会保障が出来ないと言われている、私は団塊の世代の最初であり、身につまされる感じがしてきた。それも後十年という所まで来て、まさに秒読み段階である。
日本歯科医師会雑誌12月号に野村総合研究所顧問 増田寛也氏の「人口減少社会の到来と社会保障」という記事が出ていた。
それによると『日本の人口は戦後一貫して増え続けたが生産年齢は1995年、総人口は2008年をピークにすでに減少している。国立社会保障・人口問題研究所が2012年1月に発表した「日本の将来推計人口」によると、2048年には1億人を切り、2100年には4959万人と5000万人を切る。また高齢化率は現在の23%から2040年には36%、2100年には41%まで上昇する』と書いてあった。2100年なんて85年も先、私が死んだ後なので関係ないと思ったが、考えてみれば現在4歳の孫娘にそろそろお迎えが来るころの話だ。そう考えると急に現実味を帯びた感じがした。
その記事の中に人口減少の要因が2つ書いてあった。『一つ目は20〜30歳の若年女性の減少であり、晩婚化、晩産化、少子化による出生率の減少である。出生率は2005年に1.26という最低を記録したが2013年には1.43まで回復した。しかし第二次ベビーブーム(団塊ジュニア)の女性も既に40歳を超えその世代以降では女性数が急激に減り、出生率は増加しても出生数は減少し、2013年には出生数は102万9800人と過去最低を記録している。
人口減少のもう一つの要因は、地方から東京圏への若者の移動である。高度成長期をはじめとして長年にわたり若者が移動した結果、地方は人口再生産力そのものが流出し続けた。一方、東京圏では、その厳しい子育て環境から超低出生率である。(東京都の2013年の出生率は1.13で最低)
今後東京圏では高齢化率35%の超高齢社会となり、医療や介護サービスの深刻な供給不足が表面化する。地方から医療・介護の人材が大量に東京圏に引っ張られ、人口減少が加速する可能性が高い。』と書いてあった
さらに長期的な視点からの社会保障全般の見直しとして『今後日本は急速な高齢化と人口減少が同時に進む。持続可能性のある社会保障を維持するためには、これまでの延長線上でない少子化対策、人口減少対策が求められる。
現在の社会保障は、高齢者への給付が相対的に手厚くなっていることは否めない。社会保障給付費全体に占める年金・介護分野の割合は57%、対GDP比では13%を占めるのに対して、子育て費用の給付全体に占める割合は4.5%、対GDP]比1%に過ぎない(いずれも2013年)』と書いてあった。
さらに医療費の話をこれに加えると、日本人の生涯医療費は1人当たり2010年の推計で2400万円程度と言われている。そして70歳以上でその49%を使うと言われている。高齢者である私にとっては若い世代に支えて貰っている側であり社会保障費の話しは耳が痛い。
先日、来年度の予算案が示されたが、まだまだ子育て支援への配慮は少ない様だし、なんだかんだと言っても高齢者は手厚く保護されている感じがした。
何とか若い世代に迷惑をかけないで済む生き方を模索し、健康寿命と本当の寿命を一致させるように心掛けなければならないし、終末医療においては医療費の掛かるスパゲッテー状態はいやだと子供達に宣言しておこう。
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