AM9:00〜PM0:45PM2:00〜PM6:20
木・日・祝日
この連休「おのみち港祭り」は人が多そうだったのでエイガール8に映画を観に行く。15:30開始の「リンカーン」を観た。リンカーンと言えば南北戦争をし、奴隷解放を成し遂げ、ゲティスバーグでおこなった「人民の人民による人民のための政治」という演説、暗殺された米国の第16代大統領というのが、私の全知識である。 この映画は最初の場面で激しい戦争場面があるが、残りすべては奴隷解放のために合衆国憲法修正第13条を下院で批准させ、奴隷解放を成し遂げる過程のドラマであった。 当時、アメリカ憲法の改正には出席議員の3分の2以上の賛成が得られないと改正できない。共和党議員の全員は賛成であるが、民主党は反対という構図の中で3分の2以上の賛成票を獲得するためのロビー活動や、民主党議員の懐柔や切り崩し工作をする様子を克明に描いたスピルバーグ監督の映画である。民主党議員への工作をしている間も戦場では多くの兵士が戦死をしていく。自分の息子まで入隊をしていく、早く戦争を終わらせなければならない、しかも奴隷制も廃止しなければならないと思うリンカーの苦悩そのものを描いた映画で、奴隷制を廃止したという結果だけしか知らなかった私にとってはある意味衝撃劇的な映画でもあった。 ところで私自身は政治に口出しなど出来るものではないし、してはならないと思っているが、この映画と日本の現代とが重なっているように思える。戦後アメリカ主導で制定された日本国憲法は現在の国際情勢などに鑑みると、ところどころほころびが出てきている様に思う。 最近安倍内閣が憲法第96条を改正したいと言うニュースがよく流れている。 日本国憲法第96条は「この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。」とある。 リンカーの映画でも同じ3分の2以上という規定がいかに大変であるかを物語っている。奴隷制は悪い、人はみな平等だと思っても、奴隷制で恩恵を受けている議員やそれを支持をする人にとってはとても受け容れ難い事である。別の見方をすれば3分の1の人が3分の2という多くの人の意見を抹殺するという事になるのかもしれない。十分議論が必要な気がする。 終わったら18:10だった。18:30から「舟を編む」という映画が開始されると言うので、もう一本観て帰ることにした。この映画は「大渡海」という現代にマッチした辞書を作る話だが、辞書作りがこんなにも大変な事を初めて知る。地味な作業の連続で普通の人間なら到底耐えられないのではと思われた。たとえば「右」という言葉を説明するだけでも大変で他の辞書の語釈を盗用するわけにもいかず苦悩の連続である。結局13年掛かってその辞書「大渡海」が完成する。最近は電子辞書やインターネットですぐ検索できるが、指で辞書のページをめくるという感覚は無い。映画でも描かれていたがその辞書の紙質までにも注意を払い、薄くて丈夫で1枚1枚めくれるしっとり感、まさにそこに辞書としての醍醐味が有る気がした。我が家にも古くなって破れかけた辞書もあるが、この映画を観た以上捨てるに捨てられない気がする。捨てると辞書編集者の魂を葬り去る様な気がした。 以前ブログでも書いたが大伯父東方孝義が「日台新辞書」を独学で十余年をかけて編纂した時の苦労を改めて推察した。
2013年04月30日
昨日NHKの地方ニュースで庄原市東城町千鳥の山桜が満開になったと報道されていた。 昔、1995年4月30日に始めて訪れた時は満開でそれはみごとな景色で感動した。それで次の年は5月5日に行ったがやはり満開であった。しかし翌年の1997年は5月4日に行ったのだが、かなり散っていて1週間遅かったと感じがっかりした。 それから時折ニュースなどで報道されていたが疎遠になっていた。 今日は暖かく、休診日でもあり、気分的に少し豊らかであったので午後から16年ぶりに出かけてみた。 山陽道尾道インターから入り尾道道を通り世羅町、上下町、帝釈峡、東城に抜けた。ナビをかけたのだが、東城から千鳥までの道が良く分からなくなり庄原市役所東城支所に立ち寄り行く道を教えてもらう。とても親切に対応していただいた。 訪ねる観光客が多いのか地図なども前もってファイルされており一部いただき、有難かった。 千鳥までの道路は一部昔の面影は有るものの、道幅が拡張されてずいぶんと良くなっているのに驚く。初めて行った時などは、ほとんど誰もいなくて、のんびりした山裾に勇壮に桜がそびえていて、地元の人たちが田植えの準備に追われていたのを思い出した。 今日も周りの田んぼは以前と同じたたずまいで、蛙がケロケロ・ガーガー鳴いており、鶯も良い声で鳴いていた。そういえば私にとって、今年初めての鶯の声である。また田んぼの上は早、ツバメが飛び交っていた。そして農家の庭先には鯉のぼりが有り、季節が確実に変わりつつあると感じた。着いたのは4時を回っていたが結構来ている人が多く、カメラを構えている。聞くと夜まで待ってライトアップされた桜を撮影するとのこと。 昔に比べ木の周りは立ち入り禁止で柵がしてあり近寄れない。以前はそばまで行って木の胴周りを手をつないで計ることも出来た。また樹齢400年を超える木で、昔に比べ枯れた枝などを切り落としているせいか少し全体の形が小さくなっている気がした。 そして一番驚いたのは、そばにお店屋さんまで出来ていて焼きたてのアップルパイや飲み物なども売っており、簡易トイレも据え付けてあった。結構観光地化していたのに驚いた。 しかし車の駐車料金は取られなくてすごく良心的だと思った。 帰りは道の駅「遊YOUサロン東城」で名物の「竹屋饅頭」と「乳団子」をお土産に買った。
2013年04月25日
アンパンマンの生みの親が作ったユニークな「歯の詩」だけの詩画集が発売された。 この本が出来たのは、日本歯科医師会の会長が市民向けに歯科の重要性をアピールするために、やなせたかし氏にお願いして書いていただいたといういきさつがある。 そのためこの本の最後にはあとがきにかえてと題して
「歯の詩書いてください」とたのまれた 「ひとつかふたつなら書けるかな」 そしてぼくは書き始めた ふしぎな一冊、歯科詩集 お笑い草にお読みください とある。
収載されている詩は全部で29編もある。 前書きには
歯はシ 詩はシ 歯科は 詩歌 だからできた 歯科詩集 と書いてある。
一般の人の歯科に対する思いは、「なきたいわ」に集約される。 「な」:治療に永くかかる、「き」:嫌い、「た」:治療費が高い、「い」:痛い時に行ってまた痛くされる、「わ」:どんな治療をしているのかわからない、というイメージで見られている。そのため受診が遅れひどい状態での受診が多い。結局本当に「なきたいわ」になってしまう。そのような事を無くし、皆が80歳で20本の歯を残すことを目的に8020運動が展開されている。 やなせたかし氏は90歳、キューマルイチマル(9010)で自前の歯は総計10本と 「キューマルのしあわせ」という29番目の詩に書いておられる。 いろいろの角度から経験されたことなども踏まえて書いてあり、読んでいて作者の歯に対する想いがひしひしと伝わってくる。読んでいて楽しい本であった。 中でも「歯痛アンデルセン」でアンデルセンの悩みが判っておもしろかった。 裏表紙には「よい子のみんな、お父さん、お母さん、歯医者さんの言うことをよく聞いて、歯を大切にしようね!」書いてあり、親子で読んでもらえると良いのではと思う。 さらに本の後ろに付録として『「詩」と「歯」の豆知識Q&A』と『日本歯科医師会の会長大久保満男氏とやなせたかし氏の対談』も掲載されている。 歯を大事にして皆が幸せになってくれればいいなと思う。
2013年04月14日
昨日と今日の春の嵐で桜が大分散ったようだ。昔からよく言われているが「三日見ぬ間の桜かな」、「明日ありと思う心の仇桜夜半に嵐の吹かぬものかは」 いずれも桜の季節が短いことを知らせてくれている。そう思って先日、4日の木曜日、丁度休診日であったので家内と連れだって桜見物に出かけた。と言っても遠出したわけではなく、尾道の桜土手と千光寺と天寧寺に行った。霞がかかり空の青空があまりクリヤーではなったが尾道では桜はまさに満開といった状態であった。 左が南側 右が北側 まず桜土手に行く。私が小さいころは栗原川の両岸に桜並木が有ったが、今は東側の土手が国道184号線になっているため西側の土手の桜のみが残りおよそ2キロの間、素晴らしい桜並木になっている。昔の面影は福祉センターより南側100メートル程、門田川と亀川が合流して栗原川になるところのみである。中学生の時はこの桜土手を歩いて学校まで通学したが桜の時期綺麗だった事を思い出す。特に栗原中学校の校歌には「栗原川の花ふぶき」という歌詞のフレーズが有ったように思う。また応援歌にも「桜吹雪に胸を張り誓いを立てて勇ましく」と言った歌詞が有り、昔からこの桜土手の桜は地元では有名で有ったと思う。尾道の観光ということからすれば、メインから少し外れているようだが、桜の季節はライトアップをし、観光客にもアピールできたらと思う。 正面千光寺鐘楼 展望台から松永湾を望む 次に長江口からロープウエーに乗って千光寺山頂まで行く。久しぶりにロープウエーに乗ったがゴンドラが新調され30人乗りの少し大きなものになっていた。頂上にはたくさんの花見客がいて、丁度昼時、みなさんお弁当を食べていらっしゃる方が大勢いた。良く目を凝らして見るとウィークデイという事もあったのか、6割以上は私ぐらいかそれ以上の年齢の人達で、高齢化率60%以上の世界に迷い込んだのかと思った。展望台からはかすんでいて四国山脈は見えなかったが、満開の桜に心地よい風が吹いていて気持ち良かった。 展望台から三原方面を望む 若い人たちを選んで撮影 その後歩いて下山するが途中、千光寺に立ち寄りさらに天寧寺に立ち寄る。 海雲塔 海雲塔内部の木像 まず天寧寺の三重の塔(海雲塔)を観る。昔は五重の塔であったが江戸時代に痛みの激しい四・五層を取り除き現在の三重塔にしたとのこと。この塔の中をのぞいた事は今までなかったが、正面の扉には鍵が無いのをいいことに、覗いてみたら一体の木像が安置してあった。通常の仏様のお姿ではなく頭に冠を被っていらっしゃったので、この三重塔を建立した足利義詮の像なのかな? しだれ桜 賓頭盧様 それから本堂前のお庭に行く。ここのしだれ桜は有名である、少し散り始めていたがまだまだ十分に綺麗であった。4月の終わりには牡丹が咲き始めるようだった。本堂でお参りし、中に安置されている賓頭盧(びんずる)様の頭や足、首等をなでて病気平癒を祈る。 その後街まで降りてきて、本通りのコーヒー店で喉をうるおす。街でコーヒーなんていつ以来であろうか?良い一日を過ごした。
2013年04月07日