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先日私は満70歳いわゆる古希を迎えた。古希を迎えるのに多少の不安があった。というのも「70歳の壁」という言葉があるが、世の中には70歳を目前にして亡くなられる方がいらっしゃる。尾道歯科医師会でもここ4年くらいで3人の先生が亡くなられている。とにかく70歳を越えることが出来て今はほっとしている。従業員の皆や後輩の先生からからお花を頂いて古希を実感できた。 ところで誕生日の3日後に広島県歯科医師会国民健康保険組合から「国民健康保険高齢者受給者証」が送られてきた。4月から医療機関を受診する時は従来の保険証とこの高齢者受給者証が必要になる。この受給者証には窓口の負担割合が記載されている。本来70歳になると今まで3割負担であったのが2割負担となり軽減されるのである。しかし私の場合は現役で働いていることから現役並みの3割負担と変わらずである。 先日国の予算案が国会を通過したが、ここでも高齢者医療費の増加が取り上げられていた。その昔、田中角栄が70歳以上の老人の医療費の自己負担を無料にしていた良い時代があった。私が歯科医師になった昭和59年には無料の時代が終わり、1ヶ月何度受診しようとも400円の定額負担の時代でまだまだ良い時代であった。その後800円、900円、1010円、1020円と自己負担額は徐々に増加していった。しかし平成9年には1回の負担金が500円となり、そして平成14年には1割の定率負担となった。この様に保険制度が変わる度に我が医院でも窓口は混乱をした記憶がある。 さらに平成20年には75歳以上が後期高齢者と呼ばれ、1割負担(現役並みの収入のある人は3割)。70歳から74歳は移行期間として、原則2割(現役並みの人は3割)となっている。しかしこのように自己負担額を上げてきたが、それでも医療費の増加に追いつけず全員3割という話もぼちぼち出てきている。これからどうなるのか? ところで何かの本で読んだのだが平成16年の平均寿命は男性80.5歳、女性86.83歳、ところが健康寿命となるとは男性71.11歳、女性75.56歳とあった。 これを読んでふと思ったのだが私はひょっとしたら1年ちょっとしか元気でいられないのではないかと心配になる。 私は今まで仕事一筋に生きて来たため、全くと言っていいほど人生を楽しんでいない気がする。ここで寝込んで人生終わらすわけにはいかない。 私は生まれてくる前、天の神様とこの地上で私がやるべき使命、命の時間を約束していたと信じている。与えられたこの天命を全うするためにも背筋をぴんと張り、故あって歯科医師になったのだから、最後の最後まで歯科医師として仕事をし、次の節目、77歳喜寿に向かって真摯に生き、今までよりは少しだけ人生も楽しんでいきたいと思う。
2017年03月30日
この言葉を知ったのは2ヶ月ほど前である。今までに「コンピューターの2000年問題」とか「団塊の世代全員が75歳以上になる2025年問題」とかいろいろ聞いてきた。それでは2045年問題とは何なのか? 「2045年問題」とは人工知能(AI)が人間の知能を超える「技術的特異点(シンギュラリティ)」と言われている。この説明だけでは私の頭はついていかないが、どうやらコンピューターの知能がさらなる人工知能を作り人間の知能を超える現象、またはその瞬間を意味する言葉だそうだ。まさに近未来の映画「ターミネーター」のスカイネットを想像させる。 昨年コンピュターソフトがプロの囲碁棋士と対戦してコンピュターが勝ったと大いに話題になった。また国立情報学研究所が中心となって進めている東大入試にチャレンジする「東ロボ君」や、慶応大学理工学部の「医師国試ロボ」はまだ合格ラインには達していないが合格出来るのも時間の問題であろう。 また昨今各自動車会社は車の自動運転の技術開発に大きな投資をしており、2020年の東京オリンピックには一部実用化するような話もある。 そこで今月12日から16日までの日本経済新聞の記事や広告を調べてみたら、なんと多くの関連記事などがあった。
これらの記事を読んでいると、AIやロボットに職業を奪われる職種が多数出る感じがする。たとえば自動運転になるとタクシードライバー−等の職業が奪われてしまうのかも知れない。また自動翻訳機の発展等で同時通訳の仕事もなくなるかも知れない。 医療関係では「遠隔診療 都市で地方で」「仕事合間にスマホ診療」などの記事を読むと血液データーなどをAIが判断して病名を決めそれに合ったお薬が処方されるようになると内科医の仕事もなくなるのかも知れない。 その他、介護ロボットが家族の一員になったり、現在宅配便の量が増えすぎ、クロネコヤマトは配達従業員の作業量を減らす労使交渉がまとまったが、2030年頃には物流を「完全無人輸送・配達サービス」化にするプロジェクトが立ち上がっている。 我々歯科業界では現在、歯科医が患者様の歯を削って印象(型どり)をして作業模型を作り冠(かぶせ)や詰め物を国家資格を持つ歯科技工士が製作しているが、削った歯を直接写真撮影をしてコンピュターと連動した切削マシーンがハイブリッドプラスチックやジルコニアのブロックを削り出し、冠や詰め物が製作出来るようになった。また3D印刷機というのが開発されているがこの印刷技術を利用して総義歯(総入れ歯)も製作できる。こうなると歯科技工士も職を無くしそうであるが、実は近年歯科技工士を目指す若者が少なく、各地で歯科技工士専門学校が閉鎖してきている。ある意味このAIは歯科業界にとっては朗報なのかも知れない。 今後世の中がどうなっていくのかまだまだ私には見通せない。
2017年03月20日
昨年2月、広島県歯科医師会が主催する2回コースの「摂食・嚥下機能訓練研修会」1回目を受講していたが、先日2回目の研修を受講した。今回は1月に竣工した広島駅北側の真新しい広島県歯科医師会会館で開催された。研修室で座学を受けその後1階に設置された広島県歯科口腔保健センターで実習を行った。 前回の研修会は摂食嚥下障害の総論、検査、診断、スクリーニングの講義と嚥下内視鏡検査(VE)の実習で有ったが、今回は「発達期障害の嚥下機能の評価と訓練の実際」・「中途障害の嚥下リハビリテーションの評価と実際」の講義を聴講し、その後実習・見学をした。
さらに今回は新しく導入されたX線透視装置による嚥下造影検査(VF)の実際を見学した。新しく導入したX線装置は東芝製の胃透視用の高級な機器であり、画像もデジタル処理され鮮明に写る。 ところで摂食嚥下は通常スムーズな一連の流れで進行し、健常者にとっては普通意識しないものである。その一連の流れは6段階に分けて考えられている。まず @ 食物の認知期、A 口への取り込み、B 咀嚼と食塊形成(準備期)、C 咽頭への送り込み(口腔期)、D 咽頭通過(嚥下反射・咽頭期)、E 食道通過(食道期、蠕動期)に分けられる。 この6つのどこかの段階で障害が発生すると上手く食事が出来ないことになる。摂食嚥下障害がどの段階で起きているのか見極める必要がある。例えば認知症が有って第一段階の食べ物を認識できないケースもある。また脳血管障害や、高齢になって機能が衰えてくると口の中でいつまでもモグモグして呑み込めないとか、吞みこんだとしても全部を吞みこみ切れずに喉に食物が残存したり、食物が食道に入らず気管に流入して誤嚥が発生し最悪死に至るケースなど様々である。 的確にどの段階が傷害されているのか見極めるのが重要となってくる。 この情報を得るためには可視化して診断する必要が有り、その検査方法としてX線透視による嚥下造影検査(VF)は有用な方法である。また実際に残存している場所を確認するには鼻から極細径のファイバースコープを挿入して検査をする嚥下内視鏡検査(VE)がある。VEについては前回実習したが、今回最新式の機械が導入され前回の光学式とは遥かに鮮明な画像を見ることが出来た。 ところで「食」と言う漢字は「人」を「良く」すると書く。まさに我々歯科医の仕事は患者様が食べ物を美味しく食べれる様にお手伝いさせていただく職業でもある。 たとえ不幸にも嚥下障害のために口から食事が出来なくなったとしても、的確な診断とリハビリを実行し、再び口から食べれるように、今回の研修を一里塚としてさらに研鑚をして行こうと思った。
2017年03月15日
先日私が歯科校医をしている中学校の学校保健委員会に出席した。今年度後半の委員会で「生徒の健康と安全について」報告が有った。その中で昨今世間で問題になっている携帯電話やスマホについて保持状況や使用状況についてアンケート調査を行ったことが報告された。 「携帯電話等に係わる啓発推進会議」が現在全国一斉に「STOP 9」という「携帯電話の問題から子供を守ろう運動」を展開しており、広島県の教育関係の各団体も参加している。 パンフレットには、携帯電話・スマートフォンによる通信を午後9時以降はしない、ケイタイ・スマホを置いて有意義な時を過ごそう!等が書いてあり、メールや通話、SNSなどに熱中し、深夜まで使用することで学習時間や睡眠時間が減少し、学力の低下をきたすことがグラフと共に示されている。 中学校の調査では携帯電話(スマホ)の所持は54.1%で親のスマホを利用する生徒をあわせると70.2%であった。ただし生徒の自己申告アンケートなので本当はもう少し多いのかも知れないとのこと。また平日でも3時間以上携帯(スマホ)を使用する生徒が3割もいるとのこと。利用内容はLINEが圧倒的で中にはユーチューブのネットに動画をアップする生徒も居るとのことでした。 学校としては目の届かないところで様々な危険に巻き込まれる可能性を心配しており、現にLINEやツイッターで何件かのトラブルが発生していることも報告された。今後、保護者と学校が緊密に連携してトラブル回避をして行く必要がある。 ところで私が毎月購読している「致知」3月号に古庄弘枝氏の「健康を脅かす電磁放射線の真実」と言う記事が掲載されており、携帯電話やスマホの電磁放射線(電波)の恐ろしさが書かれている。その中から一部抜粋して引用させてもらう。 『いまや現代人にとって欠かせない存在となっている携帯電話やスマートフォン(以下スマホ)。しかしその便利さの裏には、私たちの「命の根っこ」に関わる危険が潜んでいることは知られていません。 例えば、スマホを持つ手が痺れたり、電話する時に耳の奥が熱くなったように 感じたことはありませんか。そのような自覚症状があれば、手や脳がスマホから出る“電磁放射線(電磁波)”の影響を受けている可能性があります。 2011年に世界保健機関(WHO)の専門組織である国際がん研究機関は、携帯電話やスマホから出る電磁放射線に「発がんの可能性がある」と評価しました。 これを裏づける例として、2013年「世界甲状腺がん会議」で、イスラエルにおいて携帯電話の使用の増加に比例し女性の甲状腺がんの発症が増加しているとの研究が発表されています。 2016年には、アメリカの国立環境衛生科学研究所が、携帯電話と同じ周波数の電磁放射線を浴びせ続けたオスのラットは、脳や心臓に腫瘍ができる割合が高まるという研究結果を発表しました。 さらに電磁放射線の健康被害はがんに留まりません。携帯電話やスマホには、電子レンジと同じ種類の電磁放射線が使用されていますが、電子レンジは食べ物に含まれる水分を1秒間に24億5千万回振動させることで物を温めています。つまり携帯電話やスマホの電磁放射線に当たった細胞は1秒間に24億5千万回振動させられ、それが私たちの健康に様々な異変を引き起こすのです。 目眩や耳鳴り、関節痛、不妊や流産、動悸・胸痛、頭痛、倦怠感、がん、アトピーなど電磁放射線によって引き起こされる症状や異常は、すべての臓器、神経系などに及びます。 仙台市で「丸山アレルギークリニック」を開き、毎日150人以上の患者さんを診察する丸山修寛医師は、「電磁波が原因で何らかの病気になっている人や、電磁波のせいで治りにくくなっている人は、病気全体の9割にも及ぶ」と言い、「病気を治すには、電磁波の害をなくすことが絶対に不可欠だ」と断言しています。』・・・記事には他にも色々書かれておりドキッとする。 この記事を読む限り、携帯電話・スマホを使用するのに勇気が必要となるが、私自身ほとんど電話しか使用しない、しかも週に数回使用する程度で有る。インターネットやE―メールはもっぱら有線で繋いだPCで対応している。本当はスマホを使いこなせないのが真実なのだが。
2017年03月03日